離婚弁護士の選び方


調停段階で不調が予想され、裁判に進む可能性がある場合には早めに弁護士に依頼する必要がありますが、弁護士を選ぶ際に注意したいポイントがいくつかあります。まず離婚問題に注力している弁護士を選ぶことです。「注力している」というのは弁護士の自己申告ですが、相談の段階で具体的に離婚裁判を扱った件数や経歴などを尋ねてみると良いのです。

離婚裁判は長引くこともあります。第一審が終わるまでに1年以上かかる場合も考えられます。ですから弁護士との相性も重要です。こちらの話をきちんと聞いてくれることはもちろんですが、分かりやすく、こちらが理解できるまで何度でも説明してくれること、精神的なサポートも行ってくれることなどが重要です。またこちらに有利なことばかりではなく不利なことをきちんと説明してくれることも重要だと言えます。特に離婚裁判では本人尋問が重視されますので、その際に相手方から指摘されるであろう不利な点など説明してくれ、それに対する対策を一緒に考えてくれることが大切です。

弁護士は一度に複数の案件を抱え、同時進行で仕事を進めていますから、こちらの質問や相談への回答が遅れる場合もありますが、対応が遅すぎる弁護士は避けた方が賢明です。まずは一度、正式な依頼をする前に相談をし、その上で自分に合う弁護士を見つけることが重要なのです。

参考|弁護士へ離婚相談『小原法律特許事務所』

裁判離婚と弁護士


離婚調停が不調に終わり条件合意に至らなかった場合、裁判で離婚の成立を目指すことになります。裁判離婚では複雑な法律上の手続き、また弁論のやり取りなどが行われるため弁護士の助けは不可欠です。離婚裁判を起こすにはいくつかの条件があります。まず離婚調停を行ったが不調に終わったということが必要です。いきなり離婚裁判をする前にまずは調停で話し合いをしなければならないのです。

配偶者側に法定離婚原因があることも必要です。法定離婚原因とは「不倫」「悪意の遺棄」「3年以上の生死不明」「回復見込みのない強度の精神病」「婚姻を継続し難い重大な事由」の5つですが、このいずれかに当てはまることが必要なのです。5つの原因のどれが当てはまるを弁護士と話し合い、それを根拠に離婚成立を目指すことになります。

裁判離婚では単に自己の主張を繰り返すのではなく、自己の主張を正当化するために証拠を提出したり、相手の主張を覆したりする必要も出てきます。この証拠の収集や選定、また裁判官を納得させるための弁論の構成などが弁護士の主な仕事となります。さらに離婚裁判では離婚を望むあるいは拒む当事者に対する本人尋問が行われ、裁判官のこの内容を重視する傾向があります。少しでも矛盾があり自信のない回答をすれば、相手方の弁護士は容赦なくその点を突いてくるでしょう。本人尋問を乗り切るためにもこちら側の弁護士との入念な打ち合わせやシミュレーションが重要となるのです。

協議離婚と調停離婚


当事者同士の話し合いによる協議離婚では、離婚の合意をして役所に離婚届を提出し受理されれば離婚が成立します。比較的簡単に思われますが、財産分与や慰謝料、養育費についてなどを口約束で済ませてしまい、合意内容を文書に残しておかないとのちの紛争を招くこともあります。これを防ぐために離婚協議書を法的な強制力を持たせるためにも公正証書として作成しておくなどの対応が望ましいのです。その際、作成書類の不備をなくすためにも、弁護士に相談したり、依頼して作成のサポートをしてもらうと安心です。

調停離婚においても弁護士に相談や依頼する方が望ましい場合があります。離婚の条件について当事者同士で合意ができなかった場合、裁判所で調停委員の仲立ちによって合意を探っていくのが調停離婚です。調停委員が中立・公平の立場で話し合いを助けてくれますが、条件をめぐる違いが大きく内容も複雑である場合、対立が大きく調停の不調が予想される場合は早い段階で弁護士のサポートを受けた方が良いでしょう。また調停とは言え、当事者は不安を抱えているものです。頼れる弁護士がいれば精神的なサポートを受けることもできます。さらに離婚当事者はどうしても感情的になり、それがきっかけで条件の合意に至らないこともありますが、弁護士が第三者的に冷静に事実を評価することで合意形成がスムーズに進むこともあります。

離婚と弁護士の仕事


厚生労働省が2015年に発表した「人口動態統計の年間推計」によると日本の離婚率は1.77、つまり1000人に1.77人が離婚しているとのことです。あまり大きくない数字のように思われるかもしれませんが、日本の婚姻率と比較してみると、これは決して小さな数字ではないことが分かります。日本の婚姻率は5.2で、これは1000人に5.2人が結婚しているということです。5.2人が結婚し1.77人が離婚する、つまり日本では3組に1組が離婚しているということになります。

協議離婚、つまり当事者同士の話し合いですべての離婚が円満に成立するわけではありません。一方は離婚を望んでいるのに他方はかたくなに離婚を拒んでいる場合や、離婚するという点では一致していても条件面で折り合いがつかない場合では、第三者の仲立ちによって離婚を成立させることもあります。離婚問題に詳しい専門家を調停委員として条件面での合意を探る調停離婚、調停が不調に終わったため裁判で離婚成立を目指す裁判離婚などがこれに当たります。

協議離婚や、争点が比較的簡単な調停離婚であれば当事者と調停委員のみで解決に至ることも多いのですが、後々のことを考えて弁護士に相談した方が良い場合もあります。争点が複雑で対立点の多い調停離婚や、複雑な法的手続きや弁論が必要となる裁判離婚となると専門家である弁護士のサポートは不可欠です。それでは離婚の過程でどのような場面で弁護士の助けが必要か、また弁護士の離婚における仕事とは何かを説明させていただきます。